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上司と部下、教える立場になってわかること

スピリチュアルな仕事をする以前に、一部上場企業のスーパーでサラリーマンを14年間経験した時に大切なことをたくさん学びましたが、そのなかで印象的な体験をひとつをご紹介します。
 

スーパーでは、毎朝、売り場ごとの朝礼があり、主任は連絡事項や従業員の士気を高めることを話しますが、朝9:45から朝礼が始まり、10時開店の準備が間に合わないほどダラダラ言いたいことだけを話している他の課の上司もいました。

始業3分前には終わらなくてはいけないほど短い時間のなかで、ポイントを絞って大勢の人に目的を伝えるには努力が必要だとわかったのは、その立場になってからのことです。

3月に新入社員で会社に入り、5月を過ぎた頃になるとすべての仕事が流れ作業のように見えてきて、また今日も同じことをするのかと戸惑いと困惑の時期を迎えますが、それは「5月病」と呼ばれている3ヶ月目の魔の時間なのです。
新しい人と付き合ったり、新しい土地に引っ越した時も同じように3ヶ月目の魔の時間はやってきますが、人間は1年後、3年後、5年後、10年後と周期のようにワクワクのあとに不安定な時期を迎えますので、必ず、継続するための新しい目標を再設定する必要があります。

 

仕事に目的や喜びを持てない人ほど「お金を得る為」に何となく働いているために、人に頭を下げたりやりたくない仕事を指示されると不満を言いますが、働いていただくお給料がお店まで足を運んでくれたお客さんの財布の中からいただいていると気づくまでは、私も愚かな人間でした。

毎朝、主任から同じような連絡事項を聞いている時にも、「わかったから早く終わってよ、今日はオレも忙しいんだから!」と思った時期もあったほどです

自分が売り場の責任者になるまでに三人の上司の下で働きましたが、驚くほど上司に能力の差があり、三人目の上司の時は他の売り場の主任たちから「吉岡、大変だな。アイツ(上司のこと)は、どこの店でも扱えなくてこの店に回されたんだけど、主任会議の発言も飛んでもないことを言うので俺たちも困ってるんだ。だから、何か困ったことがあったらいつでも言えよ!」と優しい言葉をかけてくれた上司が何名もいたほど有名な人でした。
 

私はこの言葉を聞いた時に、確かに恥ずかしくなるほど人間的に変な上司だけど、僕の上司は僕の父親と同じなので、どんなことがあっても愚痴なんかいうもんか!絶対に周りから笑われない課にするぞ!」と、逆に強い決意をしたほどです。

その理由は、自分の上司の問題は私だけの問題ではなく、30名の部下のすべての評価にも影響しますし、何よりも部下たちが努力していることを上司の愚かさだけで判断されることが悔しくて仕方がなかったからです。

僕はその時に、絶対に、この上司の恥を広めてはいけないと思い、「すべては自分の責任」で仕事をすることにしようと決めました。

まず、私の上司は朝令暮改なんてなまやさしいと言えるほど、朝言ったことさえ会うたびに言うことがコロコロ変わる人で部下たちも振り回されて仕事にならないと泣いてきたほどですので、「すべての作業指示は私にだけして下さい」とまずお願いしました。

「その代わり、受けたすべての命令や作業指示の進捗状況は、常に、細かく伝えますのご安心下さい。」と伝えて、上司が不安にならないように努力しました。(※よく言われる、報告・連絡・相談です)
 

それと、部下が作った売り場に上司が不満を言う時もすべて私の責任なので、「売り場の文句はすべて私に言って下さい」とお願いしました。

さらに、「これも私の勉強なので、主任は、どうぞ、自分がするべき仕事に専念して、売り場のことはすべて私に任せて下さい。」とお願いしました。

当時、私は主任をサポートするNo2のポジションになっていたので、そういうことが言えたのだと思います。

主任は、「わかった」と言いながらも、しばらくは私を通り越して混乱の原因を何度も作ったこともありましたが、何度も本気でお願いした結果、やっと、私を信じて部下たちに直接、指示を出すことをやめてくれました

しばらくして、上司が私に「話しておきたいことがある」と切り出してきたことがありました。

それは上司の子供のことでしたが、5歳になる女の子の額にアザがあるので、小学生のうちに手術をするかどうかで毎日、妻と口論になり、休まる時間がないんだと教えてくれました。
 

「そういうことでしたら、いつでも好きな時に休んで下さい。もし、主任会議に私が行っても良いのなら、いつでも代わりの役目を果たしますのでご安心下さい。」と伝えて、そのあとはずっと私が上司の代わりに主任会議へ出ることになりました。

25歳の若造が40代の全店の主任たちが集まる会議に出たのですからそれは驚かれましたが、皆さん、私の必死さを理解してくれて「困ったことがあったらなんでも言えよ!」と言ってくれました。

売り場へ戻ると、本部の人事課長と店長が私の売り場へやってきて、「どうだ?仕事は順調か?」と聞いてきました。

これは私の上司の評価をしに来たのだとすぐにわかったので、私は「全く問題なく、順調に進んでます。従業員のコミニュケーションもよくなりましたし、最近は、売上も上がっています。」と答えると、二人は困惑しながらも、「そうかそうか、それならいい」と立ち去りました。

この時、もしかすると、私の上司をどこかへ飛ばそうとする左遷案が出ていたのかもしれませんが、「上司の恥は私の恥」くらいに思っていたので、私はさらに上司とコミュニケーションを深めて信頼関係を作り続けました

その2年後、私が他の店に転勤して初めて主任になった時の朝礼からは、毎日、飽きないテーマを見つける為に本を読んだり話題を探して、パートさんたちの朝のほんのひと時でも心地よく過ごしてもらえるように工夫しましたが、上司から命令されたことをただするよりも「伝えることの難しさ」をもっとも学んだ時間でした。

相手が何を望んでいるのか理解するのは当然、大切なことですが、相手が気づいていないことを気づかせる為に誰かの言葉を引用したり、うまくいっている人の話しを紹介したりしている時に、こんなことを言う40代のベテランのパートさんがいました。

 

「主任、それはその人だからうまくいったんでしょ!私たちは違うし、同じことをやれといわれても無理です!」と良い話しをしたつもりが、そうしなさいと強制に感じた人がいたのです。
 

「あー、そうですか、ごめんなさいね。確かに、同じことはできないと思いますが、この人もきっと困難にぶつかったからこそ、こういう発想になったんだと思うので、私は方法ではなく、この人の考え方が気に入ったので、もし、参考になることがあればと思ってお伝えしただけなんですよ。問題なくスムーズに仕事が進んでいる人には関係ないお話しですので、ごめんなさいね。」と言いました

他人に思いを伝えることはとても難しいと学んだのもスーパーの経験でしたが、そのおかげでとてもたくさんの人間勉強をさせてもらいました。

お給料をいただきながら人間勉強と知識と体験をさせてもらえるサラリーマンて、すごい職業だと思いました。


だって、勤務時間の何割を本気で頑張っているかと聞かれれば、頑張っていない時間もお金をもらっているわけですから、ありがたいお仕事だと自営業を始めてからつくづく思いました。


親や他人から教わったことも「教える立場」になって初めてわかることがたくさんあるからこそ、自分のお子さんだけでなく、一人でも多くの人に「いただいた恩返し」の意味で大切な思いを伝えて欲しいと思っているからこそ、皆様に私の体験をお伝えしています。


「教える立場」になった人がわかることは、「教わることの大切さ」、つまり、どういう気持ちで相手の話しを聞いているかが重要なのだと思いました。


教わったことことをすぐに誰かに伝えなければいけない立場の人のメモを見せてもらったり話す時のポイントを教えてもらうとわかりますが、誰かに相談したい人ほど上手に物事を伝えてくれる人の話しを聞いたあとに、どこにポイントがあるのか?何を意識すると、そういうポイントで話せるのかを教えてもらいながら、数名で気づきのポイントをシェアしあう時間を作ると大切な気づきが得られますよ。


人間関係や夫婦関係で悩んでいる人たちも、仲間と同じ問題をシェアしあって話し合うことで自分の考え方の視点を広げることができますし、人生の新しい道が開けますので、どうぞ試してみて下さい。
「生きるための道」を教えて下さった全ての人たちの出会いに心から感謝いたします。

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