1. HOME
  2. ブログ
  3. ◇【吉岡一門】真実の日本史・先住民
  4. 父が教えてくれたアイヌの知恵 3 五種類の茎・草木灰

父が教えてくれたアイヌの知恵 3 五種類の茎・草木灰

母の畑の話からずいぶん脱線しましたが、私の父は、アイヌのオジサンから大事なことをたくさん教わっているので、今日は、そのことをもう少しお話ししましょう。

父:我が家の畑はな、山から見て緩い傾斜になっている土地にあるので、「土砂崩れ」にはならないし、間にある川が全てを堰き止めてくれるので、台風の時には堤防も決壊もするが、それも自然界には必要なことなんだ。

我が家の畑の土は、その山の土砂が流れてパンケ幌内川で流されて、ゆっくり土壌になった場所だし、勢いよく流れた岩石は、反対側の空知川に流れた土壌なんだ。

だから、相当、深いところまで微生物がたくさんいるので、野菜が育たなくなった時は、まず、”土を深く掘り返すこと”が大事なんだ。

古い土を耕せば耕すほど、古い時代の「堆積層」が表面に出るので、太陽の光によって微生物が目を冷まし、一気に微生物が活性化して、畑の土は改善するのさ。

それでも野菜が育たない時は、「陰陽五行」の仕組みに合わせて畑に必要なものを入れてやればいいだけさ。

 

「陰陽五行」って、何?聞いたことないなあ?

もともと「陰陽五行」と言うのは、中国から渡ってきた農業の知恵なんだが、日本も中国と同じ緯度にあるので、「陰陽五行」を畑に応用すればいいだけさ。

意味がわからないから、もう少し、わかりやすく教えて!

俺もアイヌのオジサンに教えてもらったことを、自分で学校の図書館へ行って調べてやっとわかったことだから、本当は「自分で調べろ!」と言いたいところだが、今日は、特別に教えてやるか。

まず、太陽の力が弱くなった「秋」は、冬の前に大事な土を作るため物を入れる時期だからこそ、自分が作った野菜の茎や根をまとめて、土の中に細かくして入れ込むのさ。

その時に、いくつかのポイントがあるんだが、一番栄養を持っているのは、「茎」だからこそ、五種類のいろんな「茎」を入れ込むと、微生物が活性化するのさ。

 

「五種類の茎」って、どんなの?

まず、トマトみたいにツルがまっすぐどんどん上に伸びる太陽の植物。

次に、キュウリやナスのように背が高くないまま実をつける植物。

次に、りんごや梨のように、木の枝に実をつける植物。

次に、じゃがいも・人参・玉ねぎのような土の中に育つ植物。

そして、最も生命力が高い「豆類」の枝を細かく砕いて、燃やしてから、土に入れるのさ。

これで、五つになったろ?

それと、「燃やす」時はな、天に煙りで登って行く時に、「もう一度、命の循環をさせて下さい」とお祈りしてから土に戻すと、微生物が再生するのさ。

あとは、畑に無いイネや麦のような「穀物」の茎を細かく砕いて入れるか、ワラを入れて、水をかければいいだけさ。

そうすれば、来年は、土の中の微生物が自分で発酵を始めるので、再生するのさ。

 

アイヌたちが植物を育てるようになった時、「本来、その植物はどこにあったかを考えろ!」と言われたぞ!

例えば、トマトは、太陽の国の砂漠地帯で育ったので、水はそんなに無くても伸びる性質を持っているし、土の中の野菜は、もともと温かい国で育ったものだから、土の力が弱いので、石灰や木を燃やした灰を土に混ぜて強くすると教えてくれたのさ。

※参考「草木灰」

アイヌは、もともと山の中に育つ木の実や植物を食べていたので、葉物野菜は作らないし、基本的に、茎をそのままかじるので、歯も丈夫だし、どんな骨でも歯で砕く強い歯を持っているのさ。

だから、柔らかい野菜を育てて食べる習慣がないので、俺は食べられる植物を山で見つけた時は、必ず、その「根の土」を一口、食べて「土の味」を覚えるんだ。

それが、「食べられる植物の微生物の味」を覚える方法だと、アイヌのオジサンが教えてくれたのさ。

 

畑や田んぼにとって、山は「お母さん神」なのさ。

山がないと「風」も吹かないし、「水」も湧かないし、「山の微生物」も流れてこないんだぞ!

だから、俺は田んぼを始める時に、まず、「山の神」に挨拶をして、土地を使うこと、水を使うこと、そして、山の微生物を使う許可のお願いして、一年の収穫が終わったら、収穫できた野菜を持って、「山の神」に捧げるのさ。

山の動植物を食べて生きているアイヌにとって、その野菜は動物たちの貴重な栄養源になると、アイヌのオジサンが言ったので、最近は、お礼で持って行った野菜を全て”山の木の下”に撒いてくるのさ。

鳥が食べるのか、獣が食べるのかわからないが、もし、腐っても山の微生物の大事な栄養源になるので、少しばかりの「恩返し」さ。

 

お前も食べ物を食べる時は、「頂きます!」と言うだろ?

あれはな、「命を頂きます!」と山の神に思いを伝える言葉なので、絶対に、忘れるなよ!

「頂きます!」を忘れた奴は、必ず、飯が食えなくなると、「山の神」が教えてくれたのさ。

さあ、もう十分、畑の土の作り方を教えたので、あとは、土の微生物と対話しながら、野菜を育てなさい。

じゃあ、俺は田んぼに戻るわ!

母さんに、よろしく言っておけよ!

そう言うと父は、振り向きもせず、田んぼに戻りましたが、背後で聞いていた母は、父に教えてもらったはずなのに、頭にきた!」と言って、自分でいろんな野菜の茎をバキバキ折りながら、「父さんの馬鹿野郎!」と口ずさんで、畑の中にばら撒いていました。

やれやれ、「微生物と対話する前」に、父さんと、ちゃんと話し合ったほうがいいんじゃないかと、小学生の自分でも思いました。

追伸)

急に、この山の神様との対話を思い出してブログ記事を書いた時、TVアニメ「ゴールデンカムイ」を見たくなり、毎日、たっぷり「アイヌと和人の関わり」をこの漫画で再確認して納得しました。

時代背景の描写と、アイヌの習慣をわかりやすく表現しているうえに、ほぼ、事実に近い表現をしていることに感動しました。

あなたも自然界に愛される人間になりたければ、まず、「ゴールデンカムイ」を見て学んで下さい。

【ゴールデンカムイとは】
明治末期、日露戦争で「不死身の杉元」と呼ばれた元兵士・杉元佐一は、思いを寄せる幼なじみの目を治療することを親友と約束し、それを果たすため、大金を求めて北海道に渡る。そこで網走監獄の死刑囚がアイヌから奪って隠した金塊のことを知る。在りかを示す脱獄囚の 刺青いれずみ の暗号を手がかりに、出会ったアイヌの少女・アシㇼパと金塊探しの旅を始める。一方、大日本帝国陸軍第七師団の鶴見篤四郎中尉や、脱獄囚の一人で新撰組の鬼の副長・土方歳三らも金塊を狙っており、壮絶な争奪戦が幕を開ける。

「和人は奪った土地」を所有して、自分の財産として売ったり買ったり、貸したりして生活している人たちもたくさんいますが、悲しいかな、そういう生き方もできない人は、「自分の土地」さえも持っていません。

しかし、一時的に土地を購入して「所有」したと思わされた土地も家も、あらゆる税金をかけられて、最終的に三代で資産を没収するように「税金の仕組み」はできているのです。

この「税金の仕組み」を最初に考えたのは、今も世界を支配して植民地化しているヨーローパの人たちなのです。

地球に人類が生き残れるかどうかも、自分の土地で野菜やお米を作らないと、この地球上の食べ物は必ず、枯渇します。

「先進医療や土を使わない野菜の栽培」も行われていますが、土の恵みがないものを食べると、どういう人間になるかなど、誰も考えていないからできることなのです。

土を使わないということは、人間の体を構成している「微生物」を入れない体になりますので、必ず、免疫力は一気に落ちて弱くなります。

私は子供の頃から、この地球の中の思いを感じて、一人で泣いていました。

どうして人間は、自然界を破壊して、自分の食べ物が無くなると、他の国の食べ物を奪おうとするのか・・・。

他の動物よりも下等で最低の動物が、「人間」だとしみじみ感じて泣きました。

全ては、命を育てる「お母さんの知恵」が伝承されていないことが理由だと思います。

食べ物を育てるより、お金を稼ぎなさい!

偉くなって、お金を稼いで、私を大事になさい!

お金さえあれば、お金さえあれば・・・と思う人間は、必ず、食べ物が口にできない体験を家族がすることになる覚悟をして下さい。

 

私がなぜ、2022年になってから急に、この「アイヌの知恵」をみなさんに伝えるために、クリアに当時の会話を思い出せるのか????

それは、今の時代に最も必要なことだからこそ、目の前のことばかり考えて悩まないで、自分の30年後や、子供や孫たちの30年後まで考えて、「母の知恵」を子供たちに教えてあげて下さい。

「人生は、生き残り勝負」なのです。

あなたは、本当に今の生き方や考え方で、子供たちは生き残れますか?

※アイヌの知恵は、これで終わりますが、また、大事なことを思い出したら、続きを書くかもしれません。

縄文時代の文化を学んでいる人たちも、アイヌの知恵も、全て、「人間が生き残るための生き残りの知恵」だと理解できたら、まず、あなたが自分で野菜を作って、子供たちと一緒に育てて下さい。

食べ物を作れる人は、最も知恵のある人なのです。

これからの地球の最後は、必ず、「食べ物の奪い合い」が起きますので、どうぞ、あなたが自分で行動を変えて子供たちに見本を見せて下さい。

地球創生 代表 天無神人(アマミカムイ)

 

アーカイブ

Translate »