【労働組合】国会議員と本気で喧嘩した体験 1
昔、サラリーマンをしながら、「労働組合中央執行委員」の仕事をしていた時は、上部団体のゼンセン同盟が支持母体なので流通部門は「民社党」を支える活動をしていました。
※現在の「UAゼンセン」です。スーパーマーケット部会の一員として活動。
その民社党が中心となって、北海道にいる全ての政党のトップたちが集り、「日本の未来を考える会」が札幌のホテルで催されました。
当然、我が労働組合も、他の労働組合も全員参加でしたので、ものすごい人数となり、北海道中の大手企業と、民社党を支持するサラリーマン企業の社長たちと、国会議員が集まりました。
その数、ざっと、1200名!
もう誰が誰だか、わからないくらい、名刺交換の嵐でした。
その中で、我が労働組合の「元委員長」がいたので驚きました。
なぜ、今日はいるんですか?
あなたはもう現役を退いたはずなのに・・・。
俺か?俺は今日は、違う意味でここにいんだ。
ほら、名刺を見てみろよ!「株式会社○○エー 特別顧問」
やばいわ、これ、また会社の人間を脅して手に入れた職位でしょ!
お前なあ、そんなわけないだろ!
これは正式に会社に頼まれたから受けてやったんだ!
この職位があるってことは、また一般社員じゃない高い給料をもらっているんでしょ!
あなたは、いくら稼げばいいんですか!!!
金はな、いくらあっても困ることがないんだぞ!
あったらあっただけの使い道ってもんがあるんだ。
まだ、お前はその世界を知らないだけさ。
もう俺は、自分のヨットは持っているが、次は、自分の飛行機を持とうと思っているんだ!
あなたは、何を、考えているんですか!!
嫁と離婚問題を抱えているのに、今から飛行機、つまり、プライベートジェットを持つってことでしょ!
おかしいわ、あなたの頭は!!!
お前なあ、いくらなんでも、先輩にその言葉はないだろ!
おい、殴るぞ!
握り拳を作って、俺の胸首を掴もうとしたので、元委員長が手を捻って筋を痛めました。
あのう、僕、少しだけテレビを見て、合気道を覚えたので、ちょっとはできますので、やめた方がいいですよ。
あなたの力を使って、逆に、あなたをいじめることは簡単ですので・・・。
珍しくこの日、元委員長にはむかった理由は、これまでの態度があまりにひどかったからです。
誰にも言えない「強制」をたくさん受けたので、こういうたくさんの人がいる場でないと、戦えない相手なので、つい、言ってしまいました。
おい、お前、このあと、時間作れよ!
それまでこの「国会議員」と酒を飲んでいろよ!
俺は、やらなきゃいけないことがあるので少し遅れるが、必ず、行くから勝手に帰るなよ!!
おい、国会議員!
こいつと飲みにいけ!
金は、後で俺が払うので、どこでもいいから行け!
すいません、まだ僕、北海道の全ての政党の代表に挨拶してないので・・・。
そんなもの、どうでもいんだ!!
今日は形式的に「知事」に言って、こういう場を作ってやったが、もう十分、趣旨は伝わっているので、お前たち「一般の国会議員」がやることなんてないんだぞ!
さあ、ススキノへ吉岡と一緒に行け!!!
国会議員にも、「一般」と、「そうでない人」がいるのを初めて知りました。
一般の参議院の国会議員は、三年三期、つまり、9年間、国会議員を務めていない人間がそう呼ばれます。
「4期目」からは、やっと国会議員からも「先生」と呼ばれる世界なのです。
そういう「しきたり」を知った時、どこの世界でもやっぱり「10年は我慢」だなと学びました。
男二人で飲むのも楽しくないので、綺麗な女の子がいる店はどこかを考えている時に、閃きました。
あの「はじめ組」の組長の傘下の店なら、僕の言うことは聞いてくれるので、事情を話して綺麗な女の子を揃えてもらうことにしました。
「はじめ組」の組長は、元委員長には会いたくないので、そのことも伝えると、「ススキノ最高レベルの綺麗な女の子を揃えます」と、ママが言ってくれました。
指定されたお店に行って、びっくり!
ここは東京のモデル事務所かと思うほど、最高レベルの女性たちがたくさん揃っていました。
その数、12名、今日はお店を私が借り切った状態です。
ここのお金は高いだろうなあと思いながらも、「金は俺が払う」と言ったので、会計は全て「元委員長」にお任せです。
さあ、飲みましょう!と始まった飲み会は、女性たちの品評会になり、ランキングを二人でつけたり、芸をしてもらったりと二人ではしゃぎました。
しばらく、「女の子遊び」も飽きた頃、私はその国会議員にこう質問しました。
あなたは、なぜ、国会議員になったのですか?
どこかに「基盤」があったのですか?
それとも、お金でコネを使って勝ったんですか?
どっちですか?
あんた、失礼なやつだな!
俺は自分の実力で、この「国会議員」という職位を手に入れたんだから、金とかコネとか言わないで下さい。
この「中途半端な返事」をしたことで、私は急に、キレてしましました。
国会議員が好き勝手できるのも、特に、民社党の国会議員を支えているのは労働組合だし、この人は、労働組合のトップの企業の人間と今、飲んでることをわかってないと思ったので、「名刺を下さい」とお願いしました。
お互いに名刺を交換したので、会社の名刺と労働組合の名刺を2枚渡しました。
すると彼は・・・
なんですか、これは、労働組合の名刺ですね???
それはわかっていますよ、私たち民社党は、労働組合の人たちに支えられているのは・・・でも、わざわざ、今、出す必要ないじゃないですか?
どこの会社の人間かを知りたかっただけなのに・・・。
あんたね、よく見なさいよ!
名刺の横に書いている私の「職位」を!
「全〇〇エー労働組合中央執行委員」と書いてあるでしょう!!
その意味を知らないんですか!!
いやあ、一応は知ってますが、あなたの言っている意味がよくわかりません。私は何に気づいていないのか、教えて下さい。
国会議員であっても、あなたを首にしたり、次の選挙で落選させることができる「中枢の人間」だという意味です。
その意味は、分かりますよね?
え!僕は一般市民の選挙で受かったんですよ!
比例代表ではないので、僕の実力ですよ!
そんな言われ方をすると、気分、悪いなあ・・・
俺、帰ろうかな・・・。
あんたね、さっき、会話した人、どういう人が知ってますか?
あなたの会社の「特別顧問」でしょ!知ってますよ!
いや、そうじゃなくて、「裏の仕事」のこと!!
そんなこと知るわけないじゃないですか!!
裏で、魚屋さんをやっていても、不動産業をしていても、そんなの僕には関係ないじゃないですか!もう、やめて下さいよ!
こんな真面目な国会議員に変なことを言わないで下さい!頭にきました。
政治家で、ここまでバカな「新人一年生」はいないと思いました。
普通、先輩議員の「鞄持ち」をしてついて回れば、「人の付き合い方」を学んでいるはずですが、この男は「鞄持ち」をやってないとわかったので、やっぱり、「コネ」で入った男だと分かりました。
ねえ、あんた、親は何をしている人?
普通に会社を経営してる社長ですけど・・・
じゃあ、おじいちゃんは、どんな人だった?
政治家で長い間、頑張ったみたいで、お正月になると100人以上の人が挨拶に来るので、すごいおじいちゃんだと思ってました。
あんたなあ、あなたが政治家になれたのは、そのお爺ちゃんのコネだよ!
僕は、コネなんか、使ってませんて!!
だから、バカっていうのさ。普通に、考えてみろよ!
有名な政治家の「孫」が、政治家を目指しているとわかったら、過去、お世話になった社長たちや政治家たちが動くに決まっているだろ!
それを「コネ」っていうんだよ!!
ほんとに、お前は「お坊ちゃん議員」だな。
真面目に、「三期九年」務めてから自分の意見を言うんだぞ!
3年ごとに半分は切られるのが参議院だから、頑張ってコネを使って生き残れよ!
国会議委員の生き残りは、選挙もあるが、そのあと違う政党と戦いながら、上手に自分を引き立ててくれる他の政党のお偉いさんに好かれることが大事だから、そういうことも勉強しろよ!!
どこで、勉強するんですか?今まで誰も教えてくれませんでした。
そういうことを一番知っているのが、労働組合の中央執行委員なのさ。
会社と組合員、企業の社長たちの付き合い、一般労働者の感情、偏見、そして、企業が繁栄し続けるためには、どんな汚い手を使ってでも生き残るしかないのさ。
従業員もそうだが、社会に出た人間は、全て「生き残り」で戦っているのさ。
あんたも国会議員として、生き残れよ!!頑張ってな!!
いやあ、尊敬します!今まで誰も教えてくれないことをこんな簡単に教えてもらえるなんて、すごい嬉しいです!
年は僕の方が上ですが、あなたを尊敬します!
好きなお酒を1杯奢らせて下さい!
あのなあ、この店の飲み代は全て「元委員長」が払うので、金は気にするな!
問題は、あんたに元委員長が「何を頼むか」だわ。
俺は、そのほうが心配だわ。まあ、頑張れよ!
もう酒を飲んだし、女の子もここまで揃うと、逃げられないし、断れないから覚悟しなさいね!
僕は、何を覚悟するんです?
まあ、あんたがする仕事の利益をいくらかは回さないといけなくなるだろうなあ・・・。
僕は会社の社長じゃないので、お金を渡せるほど稼いでません。
パパの会社なら儲かっているので、大丈夫だと思いますが・・・。
やっぱりね、まあ、わかったわ。
あんたを通して、パパの会社とのコネクションを作ろうとしてるみたいなので、諦めなさい。
あの人に捕まったら、もう、終わりさ。
ハイエナみたいな人だから、ケツの毛までむしり取られると思うけどな!
僕のケツには、毛は生えていません!!!!
本当に、バカだなあ、お前、もう、「お前」って呼ぶわ。
怒る気にもならんわ。
ここで「元委員長」、登場!
お!吉岡!話はついたか!?
どこまで、決まった?
あのね、元委員長!
あなたはただこの男と飲めとしか言わなかったでしょ!
それなのに、なぜ、話しはついたかって聞くんですか?
おかしいでしょ!
でも、だいたいの関係性だけは伝えておきました。
あとは金の話だな、じゃあこっち来い!すぐ終わるから!!
この紙に書いている金額を明日まで俺のところにもってこいと、お前の親父に言えな!以上!
ちょっと待って下さいよ!
僕は、なんでこんな役目をしなきゃいけないのですか?
俺な、今、お前の親父と揉めてるのさ。
だから、これが「最後の請求」だと言っておけな!
実際は、最後じゃないが、まあ、これくらいの金額なら、すぐ出るさ!
あの会社はたっぷり金を隠しているからな・・・。
そんな!パパの会社に限って、不正なんて一切してませんよ!
素晴らしいパパなんですよ!!
ま、パパとしては最高かも知らんが、お前の親父の「裏の顔」はヤバいぞ!
俺を脅したんだからな、もうあいつは、絶対に許さんからな!
絶対に、あの会社は、乗っ取ってやる!!
これは、言うなよ!わかったか、ボケ!国会議員!
なんだか分かりませんが、この紙をパパに渡せばいいんですね。
分かりました、あと、あなたの名刺を下さい。
おう、じゃあ、こっちの名刺を渡しておくわ!(組の名刺)
さ、飲もう飲もう!!
・・・・・・・・・・・
なんでこんな片棒を担がされるのかなあ・・・、毎回だもんなあ・・・。
おう、吉岡、すまんかったな、これお礼だ!(100万円の束)
また、これですか!くれるならもっと、ドンと下さいよ!
この前の金は、全部、従業員の飲み会に使いましたから、私は一銭ももらっていません。今回は、仕事をしたので、もっと下さいよ!
わかったわかった、すまんなバカにして・・・。
そう言うと、目の前のテーブルに100万円に帯が付いたお札の束を3つ、積み上げました。
これくらいならいいか?もっとか?
お前、結構、欲張りだなあ・・。
じゃあ、ほら、これでどうだ!(5つの札束)
あのう、元委員長、今日は、ここの支払いも高いと思うので、その金も含めて、そのバックに入っている金を全部下さいよ!
俺、もっと人のために金を使いたいので、貯金しておきますわ!
おいおい、貯金なんてするなよ!税務署がすぐ見つけるからダメだ。
「タンス貯金」にしておけ!
ほら、残りの金を全部やるわ!鞄ごと、持っていけ!泥棒!!
いくらか数えるのも失礼なので、ありがたく「その鞄」をもらいました。
じゃあ、俺、これからまだ会わなきゃいけない奴がいるので、あとはよろしくな!今日のこの店の請求は、俺に回してもいいからな!
じゃあな!
また、どこかでガッポリ儲けるんだろうなあ、何して稼いでいるのかはわからんけど・・。
こんな金がたくさん入った鞄を持っていては、気楽に飲めないので一本、電話しました。
おい!「元代貸」!ちょっと、この店に来い!すぐ来いよ!
あの「はじめ組」のバカ大男、登場!
このカバンの金をお前の事務所の奥にある金庫に入れておけ!
あの金庫は、組長の個人資金だから、誰も開けないので大丈夫だ!
番号はな・・・・・だ、さあ、すぐいけ!
あのう、代貸!こんなに綺麗な女の子がいる店で一杯も酒を飲ましてもらえないんですか?それは、あんまりでしょ!
俺たちは筋モノは半端者ですが、こういう時のギリはあるので、1杯だけ、飲ませてくれませんか?
お前がビール1杯で終わるわけないだろ!
駆けつけ3杯、それから10杯がいつもだろう。
わかった、もうお前はここで飲んでろ!
お前の次のあの小さい男にで電話しろ!
あいつの仕事が終わったら、飲ませてやるわ!
さあ、電話しろ!
・・・・・・・
やってきた小さい男に、金庫に鞄を入れさせる話をしてから戻ってきたので酒を飲ませました。
さあ、組長は、この金をどう思うのかな?
もし間違って使ったら、大変なことになるけど、わかるかなあ?
おい、元代貸!「俺の金」だと言うことだけは言っておけよ!!
分かりました!!!じゃあ、もう10杯、お願いします!
つづく