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【労働組合】香港・マカオ・シンガポールの無料招待旅行

32歳の労働組合中央執行委員の時、上部団体のゼンゼン同盟北海道支部長から「無料で2名を外国研修旅行に招待する」と、ダ○エーの委員長に言われました。

「お前、行きたいか?」と委員長に聞かれた時、5つの仕事をしているので、「行けるかどうかな・・・」と言うと、「嫌なら他の奴を行かせるからあとで文句言うなよ!」と強気で言いました。

せっかく、「お前のために俺が手に入れてきたのに、人の気持ちも知らないで・・・」と呟く委員長の声が聞こえたので、「すぐ行きます!行かせて下さい!」と言うと、「もう一人誰を連れて行くのか、お前が決めろ!」と言うので、一番、気が合わない同じ年の後輩を選びました。

人生は、どこにいても「気が合わない人間」はいるからこそ、こういう時こそ、仲良くなる努力をしないといけないと、自分に言い聞かせて、ゼンセン同盟の委員長と3名で香港・マカオ・シンガポールの5泊7日の旅行に行かせてもらいました。

外国は、日本語も通じないし面倒だと思っていると、ダ○エーの委員長が「香港・マカオ・シンガポール」なら日本語がわかる人間が、必ず、いるから大丈夫だと言うと、「俺も前に連れて行ってもらったのさ、エヘヘ!」と含み笑顔で笑いました。

何か嫌だなあと思いながら、初日、香港ヘ着くと、すぐに歓迎会が行われ、現地の通訳の男性と4人で大宴会が始まりました。

・・・・・・・・

お店は現地の人でも行かない最高級料理店ばかりなので、北京ダックや最高級のお店のメニューの高い方から全て食べ尽くしました。

委員長

いくらでも使っていいぞ!

 

今、円は価値が高いので、ここでいくら食べても、日本の値段の5分の1よ!

 

だから、腹一杯、飲んで食えよ!

さすがにテーブルに乗らないくらい食べ物を頼むし、高い酒を飲み続けていると、奥の客からクレームが出て、「最近の日本人はマナーを知らない」と二人の男がテーブルにやってきて委員長に文句を言いました。

強面の顔の50代の男の横には、ガタイがイイ用心棒が睨みを聞かせているので、私も自然に睨み返しました。

・・・・・・・・・

委員長とボスが言い合いになっていると、通訳が間に入り納めましたが、私と用心棒は目が離せないので「ガチ!本気モード」に入りそうになりました。

二人の間に通訳が無理やり入ってきて、「まず、お酒で乾杯しましょう!」と言うので、高級紹興酒をガブガブ飲み干して、酒の飲み合いの戦いモードになりました。

安い紹興酒を飲むと喉が焼けますが、高い紹興酒はコッテリ美味しいので、どんどん酒が進みます。

立って飲むのも疲れるので、「椅子に座ろうぜ!」と言うと、相手の男も椅子に座り、ガチで、また、飲みつづました。

しばらく無口で飲んでいたのに、突然、用心棒の男がダッシュして「トイレ!」と叫び、私が勝ちました。

もう、こんな場所へ来てまで争いたくないのに、つい、習慣が出るというか、悪い癖です。

トイレから戻った用心棒がテーブルにやってきて、こう言いました。

すいません、お兄さん。

あなたは、どこの組の人ですか?

私は日系ハーフの中国人ですが、色々、日本のヤクザもここで会いますが、あなたの気迫に負けました。

酒はまだまだ飲めるはずなのに、急に体が壊れてしまい、席を立つことになり、申し訳ありません。

もし、このあと、お時間があるのなら、奥の席で一緒に飲みませんか?

さっきの俺のボスは、ここいら一体を仕切っている親分なので、あなたのこともきっと、気にいると思います。

さ、行きましょう!

アマミカムイ

おいおい、待てよ!!

なんで、勝手に、俺を連れて行くんだよ!

今日の席は、俺たちの親分が俺たちを招待してくれた席なので、俺だけ勝手に行くわけには行かんだろ!

そういう気遣いは、中国人はできないのか?

俺は、そういうことを大事にする人間なので、お前とは行かん!

もし、お前のボスがここに来て、俺に頼むなら、行ってやってもいいが、俺はここから動かないぞ!

さあ、嫌なら、さっさと自分のテーブルに戻れよ!

まだ、俺たちは食事の途中だし、酒を飲みすぎたので、もう少しゆっくり食事をしたいから、邪魔だから早く消えろよ!

 

ガタイのでかい用心棒は、自分のテーブルに戻ったので、これで終わったかと思ったら、さっき、いちゃもんをつけてきた「親分」が用心棒と一緒にまたやってきてこう言いました。

いやあ、さっきは、すまなかったですね。

こっちが勝手に思い込んで、失礼しました。

今日は、大事な取引がここであるので、ちょっと、俺も気が立っていたのでごめんなさい。

お詫びの印といっては何ですが、このテーブルに一緒に座って飲んでもいいですか?

金は俺が払うので、一緒に酒を飲ませて下さい。

 

これは「拒否はできない空気」なので、俺は席を空けて二人分の料理を追加しましたが、親分は、なぜか、俺のほうを向いているので、委員長へ挨拶するようにお願いしました。

なぜ、俺のほうを向いているのか考えましたが、きっと、さっきの用心棒とのことを聞いたからだと思っていると、委員長が急に怒り始めました!

おい!お前!

俺がこの席を仕切っている人間だと、何度、言えばわかるんだ!

コイツ(私)は、ただの兵隊で、俺の上司じゃないぞ!!

お前たちは、もう帰れ!!

俺は頭にきた!!!

 

静々と去っていく二人の後ろ姿は、さみしそうでしたが、あまりに普段、おとなしい委員長の怒り具合を見ていると、この人、きっと、昔、「ヤバい世界にいた」と思ったので、昔話を聞かせて下さいとお願いしました。

 

昔話か・・・どの話がいいかな?

委員長が一番、ヤバいと思う話で、きっと、このことを言うと、軽蔑されると思う話が聞きたいです!

 

お前も、嫌な奴だなあ・・・。

まあ、いいか、酒の席だし、海外だし、あとで忘れろよ!!

俺はな、昔、人を殺して逃げ回っていたのさ。

そしたら、このゼンセン同盟の昔のトップに拾われて、人のために働いて「恩返しをしろ!」と怒られたのさ。

そこから30年、必死に働いていたら、突然、知り合いがいない北海道へ行って、「トップになれ!」と言われたのさ。

 

もう、参ったぞ!

当時、付き合っていた女も切れと言うし、一切の家財道具も持たなくていいから、アパートもそのままで北海道へ行けと、100万円くれたのさ。

結局、北海道へ来て最初に付き合った女を女房にしたけど、いい妻に出会えたと思うなあ。

昔のことは一切、聞かないし、仕事が何をしているかも聞かないので、子供ができてから聞いてみると、昔の委員長に言われたらしく、俺のことを一生面倒見てやってくれと頼まれたそうなんだ。

彼女が昔、付き合っていた男がヤクザに殺されたそうで、人を信じることができない女だったからこそ、俺にあてがってくれたのさ。

だから、何も言わずに全てを飲み込んでくれる最高の女を手に入れたんだぞ!

どうだ、面白いだろ!!

 

いやあ、委員長の人情噺も面白いけど、俺のは、もっと面白いかも・・・。

 

なんだ?おい、聞かせろよ!

俺も話したじゃないか!

 

はい、先輩!

先輩の言うことは聞きますので、話します。

俺の妻も、俺の仕事が何をしているかは、一切、聞きません。

 

たまに、家に持って行ってはいけない物を見つけても、見てないふりをしますが、そこがバカなのか、「開けた証拠」が残っているので、その足りなさが可愛いと思います。

まあ、普通の人が持っていると、警察に捕まる物だったので、みんな豊平川に捨てましたけどね(^^

 

ま、我慢強さでは、ピカ一の女ですわ!

他に女が何人いても、一切、文句は言わないし、「できれば上手に別れてね」、としか言わない女なので、最高でしょ!!

 

ね、委員長!

同じように、いい女を嫁にしましたね!!

 

お前の話は微妙だわ・・・。

俺の女房を褒めたポイントと、お前女房を褒めているポイントが違いすぎて、俺、混乱するわ!

おい、高橋、お前、どう思う?

 

一緒に招待旅行に来た高橋君は、ただ、涙を流して泣いていました。

何に感動して泣いているのか聞くと、急に、怒り出しました!

 

吉岡さん、あなたはどういう了見で、妻を娶ったのですか?

僕は学生時代から付き合った女性と結婚したので、最高に僕のことをわかってくれる女を女房にしました。

でも、あなたの言葉を聞いていると、奥様の気持ちがわかりすぎて、泣けてきました。

きっと、奥様は毎日、あなたのことで泣いていると思います。

 

どうして、もっと優しくしてあげないのですか!!

女性には、もっと優しくしたあげて下さい!!

ほほう、お前、初めて、俺に説教したな!

嬉しいわあ。言いたいことがあればいつでも何でも言っていいぞ!

 

ただしな、俺は誰に何を言われても、絶対に決めたことは変えない主義なんだ。

理由はな、「女たちができないことをやる!」と決めているからさ。

 

それが「母親への恩返し」だし、それが回り回って女房にも帰ってくるし、そういう大きなことをやり遂げるために、今、俺、この組合活動以外にもいくつもの仕事を毎日、してるんだ。

 

だから、一番大事な妻は、最後の最後に、「支えてくれてありがとう」を言えばいいと思っているのさ。

その責任を背負うのが、男だろ!

 

どうせ、お前の女房は、子供ができてからドンドン態度が大きくなったはずだし、きっと、お前のやることなすこと全て報告しないと気が済まない女だろう?

 

 

わかるんだ・・・、お前、結構、ヤバい女を掴まえたことに、まだ気づいてないだろ!

これから年を取ったら、お前の金は全て管理されるぞ!

 

やっぱり、そうなんですね・・・。

周りの男たちからも言われましたが、女は年を取ると、金のことしか興味がないのか、夫の金を全部、把握したがるし、この組合の1日3000円の活動費も、全て妻に没収されています。

 

これって、変ですよね?

僕が仕事以外に働いた金だし、生活費は十分、あげているのに、「足りない」としか言わないんです。

お前よう、月の小遣い、いくらよ?

 

僕は月に3000円で、子供たちは5000円みたいです。

だから、僕はタバコは吸わないので、60円コーヒー1杯だけ、毎日、飲んでいます。

妻には、「十分でしょ!」と言われていますが、やっぱりおかしいですよね?

 

お前の妻は、狂犬だろ?

怒った時は、目くじら立てて怒るし、物を投げるつけるタイプだろう?

 

どうして、我が家の実情を知っているんですか?

僕の妻と不倫でもしているのですか?

もし、そうなら早く妻を奪って下さい。

僕がセックスしたくて寄って行っても、無視するし、無理やり犯そうとした時は、ビンタですよ!!

 

もう、俺だめです。

二人の子供を連れて、実家に帰ろうかな?

 

お前、それはダメだわ!

家も買ったんだろう?

 

そのままなら、嫁に全ての財産を奪われるから、今回の旅の中で俺が嫁の対策を教えてやるから、今日から始まる旅は、お前の好きなことを全部やらせてやるわ!

 

いやあ、泣けてくるなあ。お前たちの友情には・・・。

俺は、こんないい奴は、誰もいなかったので、田舎に逃げ帰るかどうかを迷っていたくらいしかないんだぞ!

 

ま、最後の最後にゼンセン同盟の元委員長に会ったから、今、ここにいるが、一歩、間違ったら、俺は刑務所行きだったわ。

ま、こういうメンバーの旅になったので、明日の夕食は、ガチで挑むぞ!

 

たかが夕食に、なんでそんなに力が入るんですか?

 

明日はな、マカオ島に行って、晩飯を食うのさ。

あそこはな、「世界のヤクザ」が集結する場所で、マジでヤバい奴らしか飯を食ってないので、吉岡よ、さっきの気迫で頼むぞ!

 

でも、日本からいろんなルートで探ったが、日本人を乗せてくれる船がないのよ。

あとは、現地で金を掴ませて交渉だな!

ま、俺の腕前を楽しみにしていてくれよな?

 

・・・これが、香港の初日の飲み会でした。

翌日、昼間は自由行動だったので、ぶらぶらホテルの周りを歩き回って、偽物を売りつける奴らや、刃物をちらつかせるヤバい奴らをたくさん見たので、まあ、どこも観光地は同じだと思いました。

 

香港で一番、学んだことは、「横断歩道は一切、誰も信用していない」ことに驚きました。

 

通訳の人の聞くと、「信号を守って、もし、交通事故で死んでも、誰も命の保証はしてくれないし、日本みたいに自動車保険は無いから誰も信号は守りませんよ!」と教えてくれました。

 

香港という街は、種々雑多の「生き残りの街」だと思いました。

夕方になってタクシーで港へ行くと、委員長が小さな木舟の持ち主と交渉中です。

「自分の娘をつけるからもっと金をよこせ!」とか、「金をくれたら飯をご馳走するから金をよこせ!」とか、意味不明のことを言われていました。

だから、こう委員長に教えました。

 

委員長、こう言って下さい。

金はあまり持っていないが、俺たちは日本人なので、もし、娘を日本へ行かせたいなら、連れて行ってやるぞ!

 

そのまま移住してもいいし、家族になれば「永住権」も取れるので、どうだ?と言ってみて下さい。

 

私のアドバイスのとおり言うと、すぐに数名の漁師が集まってジャンケンを始めて、結局、一人一人が乗る船を用意してくれて、通訳を含めて、4隻の船でマカオの港につきました。

 

中華人民共和国マカオ特別行政区の「マカオ島」は、一般の人が行ける島と、いけない島があり、香港側の港は全て「密航船」だらけなので、すぐに殺されるため、ぐるっと回って反対側の港からしか入れません。

 

そこは委員長、よくルートをご存知でした。

その中でも一番真ん中にある最高の小高い場所のレストランに入ると、客が全員、警戒の目をしてこっちを見ていました。

気を許したらすぐに殺される場所なので、高橋君は、さすがに、僕の腕にしがみついていました。

 

どうして、吉岡さんは、こういう人たちがいても普通なんですか?

俺、本当は行きたくなかったけど、あなたがいれば大丈夫だと、自分に言い聞かせて、今、ここにいます。

だからお願いしますね、僕のことを・・・。

 

普段、口も生意気だし、態度も悪いくせに、こういう時だけは近づくのは、女と同じだと思いました。

委員長が、レントランの真ん中の一番、高級なテーブルに座ったので、これはヤバいなあと思いました。

 

これだけ世界のヤクザ者が集まっていれば、一歩間違えると殺やれるし、そんなこと気にしてない委員長なので、僕が必死に、危ない空気を消していました。

まず、乾杯をして、また、最高級の料理を食べますが、味がよくわからないくらい、日本人が嫌いな人たちの目線が飛んできます。

 

「問題が起きなければいいなあ」と思っていると、急に、委員長が立ち上がって乾杯をしようと言いました。

 

これは、実は、まずいことだと私は知っていますので、止めましたが、座ろうとしません。

委員長、すいません。

ここは海外なので、「料理の席で立つ」ということは、料理に文句を言いたくて怒った時か、周りの人たちに文句を言う時なので、決して、立って、言葉を話してはいけない席なので、おとなしく座っていて下さい。

 

言うことを聞かない委員長は、レストランの責任者に呼ばれて、奥へ連れて行かれ、必死に、頭を下げて土下座していました。

「土下座の意味」は、外国人にはわからないので、無駄だと思いましたが、通訳が入ってくれたので、無事に席に戻れました。

 

世界のどこへ行っても、「暗黙のルール」があることを知らないのは、日本人くらいなので、本当に危ない瞬間でした。

・・・・・・・・

周りの人たちをチラ見していると、ポケットには全員、銃が見えるし、大きなカバンから飛び出している大きな銃も見えたので、ここは本当にヤバい場所だと思いました。

 

黒いカバンからヤクの袋を出して、舐めて味を確認し、金を渡す場面があちこちに見えますので、「もう、早く帰ろう」と思っていると、また、委員長が立ちあがろうとしたので、さすがに足を踏みつけて立てなくしました。

 

酒が入っているせいか、力が強い委員長を横倒しにして、足で踏みつけていると、知らない大きなガタイの男2名がやってきて、「お客様、片付けましょうか?」と声をかけてきます。

 

ヤバい!この店の保安部隊だと分かったので、「no thank you!」と言ってから、最高に高い酒をご馳走してから席に戻ってもらいました。

 

本当に「酔うとタチが悪い」と言われていたとおりの人なので、最後まで厳重注意人物でした。

・・・・・・・・

中国人の通訳の人は、現役の中学校の先生ですが、アルバイトは好きにしていいくらい、公務員の給料は安いから、今回のガイド料はありがたいと言っていました。

一生、来れない高級店に毎日、入れたし、とても美味しかったし、あなたがくれたお土産を子供たちが喜んでくれたと、喜んでくれました。

いつかお金が貯まったら子供達にも食べさせてあげたいと言うくらい、喜んでくれたことが嬉しかったです。

 

夜の女を買って一番、喜んでいたのは、高橋君でしたし、この旅行のあとは、仲良しになり、夫婦の問題も徐々に解決させました。

・・・・・・・

マレーシアには、日本のスーパーがいくつも出店していたので、八百半デパートの責任者と専務室で会って、いろんな実情を聞きました。

売り場の品揃えを見ると、日本のスーパーの値段の2倍から3倍はしますが、「日本人村」と言えるくらい日本企業がたくさん来ているし、海外赴任手当は、日本の給料とは別に出るので、約2倍以上の収入になる人ばかりなので、危険なことだけ除けば、楽しい街だと教えてくれました。

 

でも、日本以外の国は、すぐに物価は変動するし、現地の人はすぐにレイオフ(首斬り)されるので、多くの人は貧しいと教えてくれました。

・・・・・・・・・

日本人とイギリス人が一番、金を持っている時代だったからこそですが、今は、もっと、情勢は不安定になっているので、海外勤務の人は、どうか、早めに日本へ戻ってきて下さい。

なぜ、ヤオハンデパートが潰れたかを後で知りましたが、海外にお店を出す人たちは、2重、3重の「裏取引」が必要だし、「命を守るってくれる人たち」も雇わないと生きてはいけない街が世界中にありますので、観光ガイドに載っている場所以外へ行くと、必ず、行方不明になるので子供達には十分、注意してあげて下さいね。

組合時代の天無神人

 

 

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