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子育てじゃなくて「親の人間教育」が必要な時代

2017年現在、「団塊ジュニア」の子どもたちの学生生活が終わり、世の中に出始めて起きている問題はとても深刻で、ここ1年半くらいの間に経営者や人を教育する立場の人たちから多くの問題や悩みを聞いています。

同じような時代背景の中で育ち、同じようなテレビ番組や映画を見て育った人口が多い「同世代の価値観」は、これからの日本を牽引する「共通価値観」を作りやすく、その子どもたちが親になると今後の日本人の価値観や精神性の方向を決める人たちになるからこそ、私は今、起きている社会的な問題をきちんと直視することが大切だと感じています。

◎「団塊の世代」とは、1947年(昭和22年)~1949年(昭和24年)に生まれて、文化的な面や思想的な面で共通している戦後世代のことで、高度成長期の波に乗り、現在の日本経済をここまで牽引した人たちのことです。

◎「団塊ジュニア」とは、1971年(46歳)から1974年(43)までに生まれた世代のことで、多くの家庭で親子の意思疎通が悪く、「母親を嫌いとか父親が嫌い」という強い反抗心抱いている子どもたちがたくさんいる世代です。

日本の人口分布では、この2つの世代(団塊世代と団塊ジュニア)だけ突出して人口が多いため、良くも悪くも同じ環境で体験した思いや行動の問題が連鎖的に起きやすく、これから日本の大きな問題になることは確実です。

(団塊世代に起きている共通問題)

1,団塊世代が親から受けた教育は一方的な戦中戦後教育だったため、大きな時代の転換の波の乗れなかった親の価値観とは違い、「経済、つまりお金を第一の価値観」において頑張った世代だからこそ、「勝ち組負け意識」が強く、同世代の中でも資産が豊かな人と貧乏な人の考え方の違いが大きい。

2,現在、団塊世代の多くの人達が「年金を受給」していますが、寿命が伸びたことに加え、同世代の人数が多いため、国の年金システムを維持できなくしているもっとも大きな要因。

3,今後30年間で団塊世代に起きる問題は、「親と子の価値観が合わない家庭」が多いため、資産の分配やお墓や仏壇の扱いについて親子でまったく思いが違うことで親子親族同士の訴訟が増え、孫たちに因縁を残すとても大きな資産問題を抱えています。

4,更に、「団塊ジュニアの子どもたち」にお金を出すおじいいちゃんやおばあちゃんの立場の人たちは、お金や物はせびられるが、「自分たちの思い」は聞いてもらえず、親が大切にした思いを子どもや孫たちに伝え残せないもっとも大きな問題が発生しています。

(団塊ジュニアに起きている共通問題)

1,親が経済的に豊かな家庭の価値観は、「勝ち組の自己中心的な価値観」になりやすく、子どもたちは親の価値観に反発して若い時に家を飛び出し、世界を放浪したり、アンダーグラウンドな環境に身を置く人たちが多く、「自分だけのこだわり」に強い価値観を持ち、他人に主張しがち。

2,親との接点が少なかった子供時代を過ごした家庭の多くは「親の熟年離婚」を含め、夫婦のあり方や男女のあり方に疑問を抱く子どもたちが多いため、親が離婚した家庭の多くは「子どもたちも離婚を繰り返している」家庭が多い。

3,同世代の人数は多いが統一した価値観はなく、経済的に豊かな環境で育ったため、貧しさの中で生き残るために必要な「助け合い精神」を学んでいない人が多く、違う世代や親戚の人たちとのコミュンケーションが苦手で、常に、自分たちの生き方を問い続け、正解を求めながらも他人からの教えに素直になれない人たちが多い。

4,子供時代に孤立した「鍵っ子経験」をした人たちは、常に、自分で物事を決めて生きたため周りの価値観に合わせて生きることが苦手な人が多く、集団生活の体験も少ないうえに先輩や後輩との付き合い方を学んでいない人たちが多い。

5,「子育て」においても同様に、自分の親から学ぼうとはせず、自分だけの価値観だけでやろうとしてしまう人が多く、子どもに対する価値観も家庭によってバラバラなため、教育現場で起きているモンスターペアレンツなどの問題の多くは「親の価値観の違い」だと教育現場の人たちは声を揃えて言うが、改善方法が見つからない。

6,親や周りの人たちと「価値観が違うことを良い」と考えている団塊ジュニアの子どもたちの多くは「孤立化した価値観」から閉鎖的な思考や鬱や引きこもりになる人たちが多く、たくさんの人に触れ合いながらコミュニケーションを取ることが苦手な人が多い。

(経営者や教育関係者に聞いた団塊ジュニアの子どもたちの特徴)

1,やっと就職したのに「5月病」の前に辞めてしまう多くの子どもたち。(自分勝手)

2,「やりたい仕事ではなかった」と言い、自分を会社のやり方に合わせるのが苦手な子どもたち(ワガママ)

3,「自分の好き嫌いや自分の価値観だけで物事を判断する」多くの子どもたち(世間知らず)

4,飲食業やサービス業が人材不足な理由は、「人に接する仕事」を避ける子どもたちが多いことが原因。

特にこの4番目の問題は深刻で、「人と接することが苦手な人たち」は、子供の頃から親や周りの人達とたくさんふれあいながら意見交換した経験が少ないため、なかなか自分の思いを相手に伝えることが苦手だからこそ、子供の判断する前に母親がつい口を出してしまう家庭が多く、社会から引きこもった20代の子どもたちが家にいる家庭が増えています。

自分の思いを相手に理解してもらうためには、「相手の気持ちを汲み取る考え方」を学ぶ必要がありますし、違う世代の人とたくさん触れ合うことでお互いの考え方の違いを尊重しながら「責任性」を学ぶ体験が必要です。

恋愛できない、人と長く付き合えない若者が増えている結果、30代で処女や童貞の数も増えていますし、親も子どもたちの自立をどうやって即したら良いのかをわからず、子離れできず、親離れできないまま、年を重ねている親子が増えています。

現代の多くの家庭で起きている問題や人間関係の問題は、団塊世代や団塊ジュニアの世代だけでなく、その前後の世代も同様の問題が起きていますが、同じような境遇の人達が増えているのに「精神性や心や考え方を学べる場がない」ため、このままではさらに大きな社会問題になることは確実です。

バーチャルなネットの世界だけで「恋愛ごっこ」を楽しんだり、LINEやFacebookなどで見知らぬ人との出会いを求めている人たちの問題は、プライバシーを盾にして自己防御しながら様子を伺う人間関係しか経験しておらず、人と人が傷つきながら心を育む出会いのなさも大きな問題です。

(原因と対策)

まず、こういう子供たちになってしまった理由の多くは「親の考え方」に大きく影響を受けているからこそ、「親が変わらなければ子どもたちも変われない」ということを、親が自覚しなければいけません。

特に、子どもたちの価値観や考え方の形成に影響を与えているのは、「母親の価値観」ですので、母親が変わらなければ子供たちも変われないと自覚して、母親たちは自分の視野を広げる努力することが必要です。

やっと苦労して大学まで行かせて、一旦は社会に出てはみたがすぐに尻込みして辞めてしまい、自宅に引きこもるか、自分のやりたいことが見つかるまで家にいる子どもたちの相談が多いのも、現代の特徴でしょう。

この風潮は、団塊ジュニアに限らず、その上下の世代の人たちにも多い問題だからこそ、新しい日本を目指した明治維新後、高度成長期を昭和の時代に築きあげた日本の発展や文化を次の世代へ引き継ぐことが難しくなり、熟練工の問題だけでなく、家庭の中においても同じ問題が多く起きています。

「結婚をして3年以内に別れる人」が増えている理由も、同じです。

結婚をした両者とも意地を張り続けてしまうために、離婚、つまり、問題から離れることでしか対応できない人たちが増えているように「問題解決能力」が低下し、自分の責任を問わず、弁護士を通してお金で相手と戦う訴訟の数が男女関係や親子問題で激増しています。

今の日本は、まだ、団塊世代の人たちより上の世代の資産が多いため子どもたちが働けなくても生きていける家庭は多いですが、「団塊ジュニア」の孫の時代や、さらにひ孫の時代を考えると、現在ある家の資産を食い潰すか、さもなくば、借金地獄になる人たちが増えることは確実です。

将来に不安を抱いている人たちを対象とした投資や財テクの勧誘が多いのも同じで、お金でお金を増やすことをいくらやっても、子どもたちの心が豊かになることはありません。

問題を抱えた親たちの共通点は、とても我慢強くて、真面目で、一生懸命な親が多いため、子供のすることについつい口を出しすぎた結果、子供たちが「母親の監視下」でしか生きられなくなってしまっている家庭が増えています。

私は20年前からこの問題を予測していたので10年以上、「団塊世代や団塊ジュニア」の人たちに深く関わりながらあらゆる相談を聞き、団塊世代の親の意識が変わるためのアドバイアスをし続けた結果、子供との関係改善と同時に、夫婦関係や周りの人たちとの関係改善をたくさん成功させた実例があります。

現在20代の「団塊ジュニアの子供たち」は、今、まさに子育て中ですが、あと数年で自分の子供達が社会へ出して、自分でお金を稼いで責任をもって自立させることができるかどうか大事な時期だからこそ、たくさんの不安を感じているお母さんたちにもアドバイアスをしています。

団塊世代の特徴として、子どもたちとの関係が良くない家庭が多いですが、それは「価値観を共有し合う時間がない」ほど激しく時代の価値観が変わった時代背景があったからですが、これからの時代は高度成長期にような時代は二度と訪れないからこそ、安定している今の時代に次のことを考えておかなければ、日本の未来は大変な時代を迎えることになります。

母親たちが社会へ出て働き出したことで、さらに、子供との接点は減っていますが、問題は、自分の親や周りの人達とのふれあいの中で「知恵をシェアする時間や場所がない」ことが問題なのです。

誰もが通過することですが、子供を一人前にして自立させて、大切な心を教えなければ、せっかく育てた子どもたちに、いつか、邪魔者扱いされることを親たちも覚悟しなければいけません。

親が老いていくほど「自分の人生は親がこうだったからうまくいかなかった」と言ってしまうくらい「親に尊厳を持たない子どもたち」が増えている現代は、「明日は我が身」と思って大人たちは協力して対策を練ることが必要です。

全ての人の心を育む「神仏心」もそうですが、家庭や地域で伝え残すべき大切なことをきちんと教えられる人が増えなければ、これだけ人と人の接点が薄い時代の先に、日本の未来はありません。

お金よりも大切な「精神性や心」を親たち自身が学んでいなければ、「子どもたちへ伝え残す心はない」と思って下さい。

子供が親から受ける愛情溢れる教育期間は、たった十数年しかありませんが、その短い期間で経験したことが、一生、その人間の価値観の根底を作るからこそ、「親たちは本気になって自分たちの価値観を見直す必要がある」のです。

あなたが、今、自分を成長させることで、どれほど多くの人達が救われるのかを考えてみて下さい。

一緒に意見を交換し合ったり、自分の知らない体験をした人たちから意見を聞くことで、人間は成長していくものなのです。

本やネット情報だけを信じないで、「自分の足」で人に向き合って学ぶ勇気を行動に移して下さい。

それが、子供たちの将来のためにもなるのです。どうぞ、よろしくお願いいたします。

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