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【労働組合】はじめ組の組長の出会い 1

「組長」にご馳走されたサラリーマン 1を読んだ人ならわかると思いますが、サラリーマン時代に、毎日、スナックに通うことになった「キッカケ」を思い出したので、お話しします。

・・・・・・・・・

いつも行く安い居酒屋で、偶然、隣に座った男の人が、「はじめ組の組長」とは知らずに渡した名刺のお店の番号に電話がかかってきたので、また、「誰かの社長の紹介か?」と思い、指定されたスナックで待ち合わせました。

この頃は、毎日のように、労働組合の情報を知りたい札幌や本州の社長たちの相談事を聞いてアドバイスしていたので、この電話も「組合の仕事」だと思って気軽にお誘いに乗りました。

初めて入ったスナックは、女の子数名とママさんだけの寂しいスナックでした。

 

自分でビールを頼もうとすると、「オーナーから飲み放題だと言われているので」と、ママさんがビールとつまみを出してくれました。

「ビールの飲み放題」かと思っていると、「ワインはお好きですか?日本酒は?」と聞くので、「できれば美味しい日本酒が好きです」と言うと、新しい一升瓶の口を切り、日本酒とおかずを持ってきてくれました。

約束の時間より早く来た自分も悪いけど、予定時刻を過ぎてもやって来ない社長に飽きてきたので、帰ろうとすると、また、新しいお酒を飲ませるので、仕方なく一人で座って飲んでいました。

普通のスナックなら、ここで女の子が出てきて、隣に座ってお酌するものですが、奥にいる女の子もママさんも、ピクリとも動きません。

 

1時間過ぎても2時間過ぎても社長が来ないので、帰ろうとすると、ママさんが、「もう少しで来ると電話があったので」と、また、日本酒を持ってきました。

普通、会社の社長は、絶対に、約束の時間には遅れないはずなのに、どういう仕事をしている人なんだ?と思っていると、ドアが開いて、あの「社長(組長?)」がやってきました。

 

おう、待たせたな!飲んでるか?よしよし!

 

ん???あれ?

 

お前、このブランデー、お前が注文したのか?

いいえ、ママさんがあまりに遅いからと、新しいボトルの口を切って、持ってきてくれたんです。

 

これ、美味しいですねえ!(^^)

 

お前なあ、このブランデーは、バーボンじゃなくて、最高級のブランデーで、俺がこの店を開いた時に買って飾ってあった奴で、何かの記念日に飲もうと思って取っておいた特別なボトルなんだぞ!

 

ママのやろう、俺の許可もなく、なんで出しやがったんだ!殴ってやる!!!

 

社長!女性を殴るのは、いけませんよ!

 

俺もよくお店で頭にくる女はいるけど、顔は絶対に殴りません!!

 

せいぜい、ケツを蹴り飛ばすか、頭をピチッと平手で叩くくらいで我慢しています。

 

これは「母の教育」なので、男は我慢ですよ!

 

お前の母ちゃんは、顔をゲンコツで殴らないのか?

うちの母は短気なので、頭に来ると、すぐ「ビンタ」します。

 

本当に頭に来た時は、「10連発ビンタ!」と言って殴りますが、決して、グーはしません。

 

きっと、「グーは、やってはいけないこと」だと思うんですが、社長の家の教育は違うんですか?

 

女を殴ってもいい教育だったんですか?

お前、「とうしろう(素人)」が、なんで俺の母ちゃんの教育に口を出すんだ!お前、殴るぞ!

頭にきて殴るのはいいですけど、「パー」でお願いします。

 

俺、「グー」で、もし、殴られたら、我慢できなくなる自分が怖いので、どうか、「パー」で殴って下さい。

顔の筋肉を硬くして、痛くないようにして待っていても、いつまで経っても社長は私の顔を殴りません。

どうしたのかな?と思って顔を覗き込むと、なんと!泣いているんです!

社長!どうしたんですか?

 

何か悲しいことがあったんですか?

 

失礼でなければ、泣く理由を教えて下さい!

お前みたいに、「バカ素直」な人間は初めてだ・・・。

 

なんで、俺のことが怖くないんだ?

 

俺の気迫が足りないのか?

 

あなたは十分、怖い顔をしていますが、なぜか、ふと、心の奥の優しさや悲しみを感じるので、僕と同じものを持っている人だなあって思っていたんです。

 

僕も、ここまでの人生を生きてきて、一人も人を信用できませんでしたが、父と母の愛情のおかげで、こうやって「普通のサラリーマン」を何とか続けられています。

 

もし、道を外れたら、そちらの家業になるかもしれないと思うからこそ、僕はあなたに喜んでもらいたいんです。

 

今日も、ただの「仕事の相談」かと思ったけど、どうやらここは社長のお店ですよね?

 

そうじゃないと、ママさんや、従業員の女の子が、あんなたにビビるはずないですもの。

 

何が問題なのか、教えて下さい。

私にできることは、何でもやりますので!!!

じゃあよ、すまんけど、この店の「最低の女の子」の問題を聞いてくれるか?

 

俺、全然、女の気持ちがわからんので、お前にその仕事をして欲しいんだが、できるか?

 

僕は自慢じゃないですが、子供たちやオバサンたちに好かれますし、若い子たちも従業員にいて悩んでいるので、毎日、悩み相談を聞いてアドバイスしています。

 

「飲み屋業界」は詳しくないですが、できることはアドバイスしますので、順番にここに呼んで下さい。

 

あなたがいると怖いので、どうか、奥で飲んでて下さい。

 

社長さんは奥に座り、ママさんが順番を決めて、最初の女の子がやってきました。

少し小太りの30歳の女の子でした。

ススキノには珍しく、ドレスも安物だし、足も太いし、中途半端なスカートの丈だし、ただ、着膨れした「デブチビの女」に見えたので、こんな女の子も使わないといけないくらい女の子がいないんだなあと思いました。

君は、何か困っていることがあるの?

もし、相談したいことがあれば聞くから言ってみて!

私、別に困ってないし、ママさんが行けって言うから、きただけなんです。

 

だから、お酒を飲ませて下さい。

 

今日は、まだ1杯も飲んでないので、喉がカラカラなんです!

 

最初の挨拶もなければ、年上に対する言葉遣いもできいないうえに、自分の要求だけをするなんて、ありえない!!!

さあ、どうするかな???

あれ?飲ませてくれないんですか?

ケチだなあ、私じゃ嫌なんですか?

 

じゃあ、別な女の子を呼びますので、1杯だけ、ビールを飲ませて下さい。私、それで帰ります!

 

こんな女は、いないほうがいいでしょ!!!

 

もう、ダメです!限界です!!!

頭に来たので、ママさんを呼んでこう言いました。

あのう、バケツか鍋でいいので、氷をたくさん入れた水を一杯にして持ってきてもらえますか?

ママさんともう一人の女の子が持ってきたのは、大きな鍋にたっぷり入った「氷水」でした。テーブルの上に置いて、目の前の女を見ると・・・

あれー?ビールじゃないんですか?

大きな鍋を持ってきたから、これ全部、ビールかと思って楽しみにしていたのに、ザンネーー〜ン!!

私はすくっと立ち上がって、大きな鍋に入った氷水を頭からドバッ!と、かけました。全身びしょ濡れになった女は、ニコッと笑って・・・。

これゲームですよね?

 

次は、ビール?

 

それとも私の新しい洋服を買ってくれるんですか???

もうダメ!もう無理!!

ここまで馬鹿だと教えがいが無いので、「体罰コース」に切り替えました。

 

おい!お前!この床に正座しろ!

そして、さっきの俺への態度を謝れ!!

ほら、立てよ!立てって!!!

 

あまりに座ったまま動かないので、腹が立って、足で女が座っていた「丸イス」を蹴飛ばしました。

勢いがあったせいか、後ろのドアまで飛んでいって、頭をぶつけてこけました。

パンツも見えたけど、全く色っぽくないし、私の腹わたは煮えくり返っているけど、冷静になって、「もう一度、座れ!」と命令して座らせました。

「そして、謝れ!」と言っても謝らないので、もう一度、丸いすを蹴って突き飛ばしました。

そこで、正座して、心の底からお詫びしろ!!さあ!すぐやれ!!!

 

初めて、本気で女性に頭に来たくらい切れましたが、まだ、正常な脳は残っているので、「最後のチャンスだ!きちんと手をついて、謝れ!!ごめんなさい!と言え!!!」と怒鳴りました。

仕方なさそうに床に正座して、頭を下げました。

ごめんなさいと言え!!!!

か細い小さな声で、「ごめんなさい」と・・・。

もっと、大きな声で、みんなに聞こえるように言え!

・・・・・・・・・・・・

もっともっと大きな声で、もう一度、言え!!わからんのか!!!

 

ごめんなさい・・・。

ごめんなさい・・・

ごめんなさい!!!

 

おう、少しはわかったか?

 

お前なあ、少しは人間として「最低のマナー」くらい身につけろよ!

 

初めて会った俺にあんな態度を取るってことは、いつも、誰に対しても同じようにやってるんだろ!

 

それによ!お客に喜ばれてないのに、なんで、「酒を飲ませて下さい」なんて言うんだよ!バカかお前は!

 

お客が気持ち良くなった時に、「お前も飲むか?」と言われて初めて飲めるものなのに、何年、この仕事をやってるんだ!

 

こんな高級なスナックで、ブクブク太りやがって、よくそれで商売できるな!

 

お前、実家に帰って、豚でも育ててろ!

 

こんな恥ずかしい女を雇わなきゃいけないほど、ここは困っているのか?!

 

誰だよ、ここの社長は!

俺が文句を言ってやる!!!

・・・・・・・

あ!あの社長だった・・・、すいません・・・。

おう、吉岡さん、ご苦労様!

 

こいつは、俺の社員なんだが、もう10年もここにいるので、「最後の奉公」をさせているんだ。

 

でもやっぱりダメだよな?

じゃあ、今度の「船」で、お前は本州に行けよ!

もう、終わりだな、お前は!

私だって、昔は細くてナイスバディだったので、たくさん稼いだじゃないですか!!!

 

年をとって、売り物にならないと、すぐに「船」に乗せるんですか?

 

もう、嫌だ!私、ここで死ぬ!!!!

殺して下さい!組長!!!

 

おい、俺を「組長」って、呼んだのか?

俺は、社長さんだぞ!

組長って、呼ぶな!

まあ、どっちでもいいけど、他の女の子の話も聞きましょうよ。

 

俺も、もう疲れたので、今度は、あの綺麗な女の子の相談に乗りますわ!はい、次!!交代!!

ごめんなさい!本当に、ごめんなさい!

 

私、もう一度、頑張りますので、この仕事、続けさせて下さい!

 

まだ、死ぬのは嫌なんです!お願いします!!

 

どうする?吉岡さんよ、この女をどうしたらいいと思う?この女は、あんたの判断で決めるわ!

じゃあ、次に来るまでに、僕が言うことを全てやって下さい。

 

体重は、あと5kg落とすこと!

 

ウエストも絞って、常時、笑顔でいること!

 

お客様に失礼な態度や言葉使いをしないこと!

 

いいか、これは「最低の条件」なので、すぐにやりなさい!

 

船に乗せるかどうかは、この次、あった時に、決めましょう!

 

彼女が本気かどうかを試すために厳しく言いましたが、ただ自分勝手に生きていても多くの人に迷惑をかけるだけの人間なので、こちらも本気で向き合いました。

きっと、痩せるまでに1ヶ月間はかかると思ったので、次の1ヶ月後を約束して、お店を出ました。

まだ、この時は、「船に乗る本当の意味」を知らない期でした。

つづく

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